消費者問題:消費者庁スタート
2009年(平成21年)5月に関連法が成立し、同年9月1日に「消費者庁」が発足しました。消費者庁は、日本の行政機関の一つであり、第三者機関である消費者委員会とともに、消費者行政を所管するものであり、「消費者行政を統一的、一元的に推進するための、強い権限を持つ新組織」の構想を具体化した機関です。
消費者庁は行政機関に当たりますので、行政書士には、消費者行政を扱うという大義名分が出来ました。今までも、行政書士は、クーリングオフ制度などの啓蒙に勤め、消費者問題を担う業務に熱心でありましたが、今後は、更に、消費者行政という明確な根拠を以ってこの問題に取り組むものと思われます。
消費者庁発足に伴い、以下のような事案が消費者庁の管轄に移りました。
事案 |
管轄の変更 |
景品表示法 | 消費者庁へ移管 |
JAS法 | 表示基準の企画立案、執行を消費者庁に移管 |
表示基準策定 | 改正に当たり、農林水産省にあらかじめ協議・同意。農林水産省は、案を備えて表示基準の策定・改正を要請可、法執行の一部につき農林水産大臣に委任 |
食品衛生法 | 表示基準の企画立案、執行を消費者庁に移管 |
表示基準策定 | 改正に当たり、厚生労働省にあらかじめ協議、厚生労働省は、表示基準の策定・改正を要請可 |
健康増進法 | 表示基準の企画立案、執行を消費者庁に移管 表示基準の策定・改正に当たり、厚生労働省に協議 |
家庭用品品質表示法 | 表示の標準の企画立案、執行を消費者庁に移管 表示の標準策定に当たり、経済産業省にあらかじめ協議。経済産業省は、案を備えて表示の標準の策定・改正を要請可。法の執行の一部につき、経済産業省に委任 |
住宅品確法 | 表示等の企画立案、表示基準の策定は共管。執行は国土交通省が行うが、消費者庁が勧告 |
消費者契約法 | 消費者庁に移管 |
無限連鎖講防止法 | 消費者庁に移管 |
特定商品預託法 | 消費者庁に移管 |
電子消費者契約法 | 内閣府所管部分について消費者庁に移管 |
特定商取引法 | 消費者保護に係る企画立案、執行を消費者庁に移管。消費者庁は執行を一元的に行う。経済産業省は、商一般等の立場から連携 |
特定電子メール法 | 消費者保護の観点から行う措置命令等については、消費者庁へ移管 |
金融商品販売法 | 消費者庁も所管に加わる |
出資法 | 消費者庁も所管に加わる |
貸金業法 | 企画立案は共管、登録・免許、検査、処分は各省庁が行うが、消費者庁は処分について勧告権を持ち、そのための検査権限を持つ。また、処分について事前協議を受ける |
割賦販売法 | 上記に同じ |
宅建業法 | 上記に同じ |
旅行業法 | 上記に同じ |
製造物責任法 | 消費者庁へ移管 |
食品安全基本法 | 消費者庁へ移管。ただし、食品安全委員会の設置等に関する規定の所管については、引き続き検討 |
消費生活用製品安全法 | 重大事故情報報告・公表制度を移管安全基準の策定に当たり協議を受ける |
食品衛生法 | 安全基準の策定に当たり協議を受ける |
有害物質家庭用品規制法 | 消費者・生活者が主役となる社会の構築等に関する法律 消費者基本法 消費者庁へ移管 |
国民生活センター法 | 消費者庁へ移管 |
個人情報保護法 | 消費者庁へ移管 |
公益通報者保護法 | 消費者庁へ移管 |
特定非営利活動促進法 | 消費者庁へ移管 |
国民生活安定緊急措置法 | 消費者庁へ移管 |
買占め及び売り惜しみ防止法 | 消費者庁へ移管 |
物価統制令 | 消費者庁へ移管 |