内容証明について
内容証明は郵便物の差出日付、差出人、宛先、文書の内容を特殊会社である郵便事業株式会社(通称:日本郵便)が謄本により証明する制度です。
紙様式による内容証明の様式は以下のとおりです。内国郵便約款の規定によります。なお、内国郵便約款は廃止された郵便規則に代わるものです。
▼ 用紙は自由です。内容証明用の原稿用紙を利用すれば後述する文字数制限を使う必要はありません。ただし、郵便事業での文書の保存期間は5年となるため感熱紙は使用できません。公文書にA4判が採用されてからはA4判で書くことが標準的となりました。
▼ 筆記具は自由です。ただし手書きでの作成の場合はインクの出る筆記具を用いるのが通常です。パソコンやワープロの使用も可能です。実務上はパソコンやワープロにより、裁判文書と同様に12ポイントで作成することが多いです。正本および謄本合わせて1枚あたり3通となる文書は手書きでの作成の場合はコピー、カーボン紙の利用などで謄写するのが一般的です。
▼ 内容証明では使用可能な文字が限定されます。
○ ひらがな・カタカナ
○ 漢字
○ 数字(算用数字・漢数字)
○ 句読点、かっこ、記号。記号は、一般的なものに限ります。
○ 英字(アルファベット)は、氏名・会社名・商品名などの固有名詞のみ使用できます。たとえば、JRは「ジェイアール」と書いても誤りではなく認められますが「JR」と書くことも認められます。
▼ 内容証明は日本語でのみ作成可能です。
▼ 内容証明の形式は自由でいいですが、同時に提出しなければならない謄本2通には以下のような制限事項があります。
○ 表裏合わせてで1枚520字以内。
○ 1枚の表に520字を書いた場合、その裏に一文字でも何かを書くことは許されません。以下における1枚あたりの行数も同じです。
○ 横書き1行20文字1枚26行で作成するのが標準的であるが以下の様式もあります。
・縦書き1行20字以内、1枚26行以内。
・横書き1行13字以内、1枚40行以内。
・横書き1行26字以内、1枚20行以内。
○ 句読点や記号を1個1字と計算します。記号は一般的な記号に限ります。単位を表す記号などは通常認められますが、カタカナで「パーセント」「キログラム」などと書く方が確実です。句読点については文末文頭にあるものも1字と数えます。このため、手書きの場合は文頭に句読点が来ることもあります。パソコンやワープロで文書を作成する場合禁則処理を外すか、もしくは1行の文字数を規定よりも1文字減らした設定(1行を20字にして書こうとしている場合は1行を19字に設定するということ)で文書を作成する必要があります。
○ パソコンやワープロを用いる場合、半角文字についても1字と計算します。
○ 後述する字の訂正や挿入部分は字数に数えません。
○ 行の追加挿入は認められません。
○ なお、横書き1行20文字1枚26行で作成するのが標準的です。
▼ 内容証明が複数頁にわたる場合綴じたもののつなぎ目に契印を押します。文書自体に押印があるときはその押印と同じ印章で押印をするのが普通です。
▼ 郵便に付するときに正本1通と謄本2通を作成する必要があります。正本は送達され謄本の1通は郵便事業が5年間保存し、もう1通は差出人が保存するために返却されます。
▼ 文書以外の資料等を同封することは認められません。内容証明では文書の存在そのものが証明され、それ以外の物を同封することは認められません。